SUPER STUDENTS

RADIANCE

竹井天音
AMANE TAKEI
小川実里
MINORI OGAWA
@amy_babygirl1221
@mino_gon
—— 撮影を終えての感想をお聞かせください。
M
今回、撮影に携わらせていただいて、本当に自分たちの力ではここまでこられなかったなと。自分たちはメイクやヘアの技術も全然ないので、いろいろな方々のアドバイスや協力のおかげでこの作品が成功したなと本当に思っています。担任の先生や副担任の先生、周りの友だちにもいろいろアドバイスをもらいました。
A

私もいちばん最初に思ったのは、自分たちが考えた作品をレスリーさんに撮ってもらって、それが写真になって、世界中に発信されるということに感動を覚えました。素人の私たちには知らない知識もありましたし、ふたりだけの力だけじゃなくて、いろいろな人のサポートときっかけがあったからできあがったものだなと思っています。

—— 写真の作品を見てどう感じましたか。
A

写真を見たときには涙が出そうになって、「すごい!」としか思えず、言葉が出なかったです。自分の伝えたかった思いとか、これから世界がどういうふうに変わっていって欲しいとか、そういうものが明確に作品に表れていたので、本当に感動しました。

「どういう作品を作って、世界にどういうことを伝えたいかを『celebration』というテーマを踏まえて考えなさい」と言われたのですが、最初はイメージすらわかなかったんですよね。わりとテーマが曖昧な感じだったので、明確に何をやったらいいんだろうと考えるところからはじまりました。

そこで、いま社会で問題になっていることをふたりで話し合って、ひとつひとつ、パーツパーツで考えてできあがったのがこの作品です。

でも、たとえばデッサンを描くのもデッサンの先生に相談したり、デザインを描くうえでどうかなと思うことを母に聞いたり、友人にも「こっちとこっち、どっちがいいと思う?」と聞いたり……。はじめから終わりまで本当に周りの人に助けてもらったので、私たちふたりの作品というよりは、周りの人みんなで作り上げた作品なのかなと強く感じています。

これからも美容の世界で生きていきたいと確信しました。本当にいい経験をさせていただきましたし、一生忘れないと思います。

M

自分たちが想像していたとき以上のものができていて、全部すごかったですけど、とくに3パターン目の金の作品は、撮り方ひとつで見え方が変わってくるんだなあと思いました。自分たちの技術だけでは表せない作品になっていて、すごい感動しました。

—— おふたりでどのような役割分担をされたのですか。
A

担当については、時節柄、どちらかがコロナになって来れなくなるかもしれないということを想定して、ヘアもメイクも偏りなく半分ずつ、どっちもできるようにしていました。どちらも好きですが、自然と小川さんがけっこうヘアを担当して、私がメイクを担当するような感じになりました。

M

ふたりだと完全にわけるのは難しいのもあって、ふたりともどちらもできるように、と。どちらが得意とかは自分でもわかっていなかったので、効率をよくするために分担した感じです。

—— コンセプトは「差別や偏見のない世界」ということで、LGBTQの象徴であるレインボーと光を取り入れたとのことですが、これを選んだ理由と、この作品で表したかった思いを聞かせてください。
A

私たちふたりともそれぞれに、性にコンプレックスを持っている友人がいて、そこと重なるよねというのがひとつです。私はアメリカに留学していたことがあるのですが、日本だとLGBTQの人は見た目ではあまりわからないことが多いですよね。

派手な格好をしているわけでもないから、正直わかりづらかったり、公表するといじめられたりする現状がありますが、アメリカでは自ら虹色の服やユニコーンの服を着て学校に来たりする。それが普通で、それを見て笑う人もいないんです。そういう個性を尊重しているアメリカの文化がすごく好きだし、日本でもそれを個性として、ひとつの生き方だと捉える社会になって欲しくて、この作品にしようとふたりで決めました。

ですから、LGBTQとか、性にコンプレックスがある人も自由に生きられること、世間にそれを生き方のひとつであると認めてもらったことを祝うというイメージで作っています。ヘアは周りに毛束が広がっているんですが、それは自由に解き放たれていくような、堂々とした感じを表現しています。メイクでは、LGBTQの象徴であるレインボーフラッグの色を取り入れ、真ん中にはストーンなどできらきら感、ゴージャス感を出して「celebration」を表しています。

ヘアでは光を、メイクでは虹を表現したので、サンキャッチャーなどの小物を使って光の反射や水のイメージなど、「虹ができるためにはどういう要素が必要なのか」ということをメイクやアクセサリーを取り込んで作りました。

M

レスリーさんは世界を飛び回っている方なので、世界中に影響のある作品になりますよね。自分も作品を見てとても感動しましたし、こういうコンセプトで作った自分たちの作品をとおして、悩んでいる世界中の人たちに勇気を与えられる作品を作りたいと思いました。実際に若い人たちのなかでも、隠していた一面を出そうとがんばっている人のSNSを見るのですが、そこでも誹謗中傷されていたりして、そういう世界がなくなればいいなと思っていて。みんなが自信をもって自分をさらけ出せる世界になったらいいなと思ったので、今回、世界で活躍するレスリーさんの作品をとおして、世界中に自分たちの思いを伝えたかったという感じです。

—— この撮影を経験して、どういう学びがありましたか。
A

どっちかが間違っているということは絶対にないから、お互いにアドバイスし合って、何か問題があったら話し合って決めていきました。練習しているときから、毎回時間を測って作業をしていたので、現場のピリつき感みたいなものはあったけれど、それでふたりがもめるということはまったくなく、本当に協力して作り上げたなと思います。だから、作品だけじゃなくてふたりのチームワークもめちゃくちゃ高まったなと思っています。

 

M

時間があまりなかったのですが、お互いの意見を尊重し合っていたので、揉めたりすることもまったくなかったです。むしろ、実際の本番の日は最後の撮影だったので、ずっと緊張していました。

A

現場では、時間がないことに焦りと不安がありましたし、最終の撮影だったのでモデルさんもお疲れだったこともあり、「やばいな、どうしようかな」と思いましたが、まずはモデルさんにやさしく声をかけて、周りの先生にも協力していただきながらやりました。モデルさんにもすごくやさしくしていただいたし、途中からは私たちも緊張がほぐれて、やりたいようにできたのかなと思います。

この体験のおかげで、この先どこへ行って、どんなところに就職しても対応できるんじゃないかという自信がつきました。

M

いちばん最後の撮影じゃなかったら感じなかった気持ちを味わえたと思います。最初は不安でしたが、ある意味いちばん最後だったからこそ、みんなに協力してもらえていることを改めて感じた機会になりましたし、自信になりましたね。

—— ここからは作品以外のことについてうかがいます。美容の道に進もうと思ったきっかけは何ですか。
M

私は高校のときに寮生活をしていたんですが、みんな部活が忙しくて、髪の毛を切りに行く時間がないという感じだったのです。それで私が、寮でいろいろな人の髪の毛を切ってあげていたら、お礼を言ってもらうようになって。当時は全然技術もなかったのですが、自分ができることや興味があることで人に喜んでもらえる仕事に就きたいなと思うようになって、美容に進もうと決めました。

A

最初のきっかけは、3歳くらいではじめて地元の美容室に行ったときです。単純にシャンプーがめちゃくちゃ気持ちよくて、こういう気持ちいいシャンプーができるようになりたいなと思ったんです。

美容師さんはおしゃれだし、かっこいいなと思って、最初はただの憧れだったんですが、大きくなるにつれてSNSなどもはじめて、いろいろなヘアメイクさんや美容師さんのカラー・カットの技術を見ていくうちに、さらに憧れが強くなっていきました。

その後、15歳くらいのとき、幼稚園から仲がよかった先輩が、顔のコンプレックスでいじめみたいなものを受けてしまって、生きづらい感じになってしまったんですね。

でも、先輩が高校を卒業してカラーやメイクがOKになり、整形をしたりしたら、ずっと家に閉じこもっていたのに性格が一気に明るくなって、「メイクをしておしゃれすれば外に出られる!」って、すごく自信を持った女性に変わったんですよ。

それを見て、「メイクや髪の色を変えるだけで、こんなに明るく素敵になって、笑顔になれるんだ!」と思ったのが、大きなきっかけになりました。

そういう仕事に携われば、外見にコンプレックスを持っている人の体や見た目だけではなく、人生を変えることができるんだ、と。これこそが自分にとっての天職だと感じたことが、美容の道に進もうと思ったきっかけです。

—— たくさんの学校のなかから山野美容専門学校を選んだのはなぜですか。
M

ヤマノは設備もすごく整っているし、今回の「SUPER BIDO」もそうですが、いろいろなチャンスをいただける学校だなと思って選びました。ほかの学校も見学したのですが、山野美容専門学校は本当に先輩方の雰囲気もよくて、設備も整っていて、いろいろな機会を与えていただける。そんな学校はほかにないなと思って、本当に一択でした。

入学前から「SUPER BIDO」があるというのは知っていたのですが、実際に自分が関われることだったんだと、本当にありがたい機会をいただけたなと思っています。

A

設備が整っているのももちろんですし、関東の美容学校と言えば、年配の方に聞いても絶対にヤマノの名前が出てくるんですよ。初代の山野愛子先生が有名な方だったから、年配の方でも知っているんですね。だから、その知名度を大切にしましたし、私は人一倍負けず嫌いなので、少ないライバルのなかでやるより、人数が多いヤマノでコンテストやテストで1位を取れたら自信になる。

たくさんの人たちから知恵を学べるし、人数が多いほどさまざまなインスピレーションやイメージに触れられますから、多くの刺激を受けるためにも、ヤマノしかないなと思いました。

 

—— 学生生活の楽しいところ、苦しいところはどんなところですか。
M

楽しいのは、友だちといろいろ話したり、疲れたときでも「疲れたね〜。でもがんばろう」って助け合っているときです。自分はカットが好きなんですが、好きな授業で思うようにできたら楽しいなとも思います。

苦しいのは、朝の満員電車。通学に1時間くらいかかるので、朝早く起きるのがつらいですが、そのくらいですね。学校生活では、テスト前がちょっとつらいですけど。

A

気が合う友だちや憧れている友だちと一緒に授業を受けられること自体が楽しいし、休み時間や放課後にたまに遊びに行ったり、いろいろなことを話し合ったりする時間は、自分にとってはすごく大切なものだと思っています。就職したら会いたくてもなかなか会えなくなるので、いまのこの笑い合っていられる時間や話している時間はすごく大切で、毎日楽しいし幸せで、勇気や笑顔をもらえているなって強く感じています。

苦しいとまで思うことはとくにないですが、やっぱりテスト前はプレッシャーがかかるので、「合格するかな」って不安に思ったりはします。私はとくに負けず嫌いなので、「1番になりたい」と気ばかり焦って、思うように作品ができなかったりすると、ネガティブになってしまうところは多々ありますね。ワインディングのテストでも、テンパればテンパるほどロットを落とすし、ブロッキングも震えちゃう。気楽にやったほうが上手にできるし、できれば緊張しなくなりたいけど、その方法がわからないというところでしょうか。

でも、テストを含めて何かをやり遂げたときには達成感がありますし、ひとつひとつが自分の自信になっているんです。だから、「私すごいじゃん」と褒めるようにしているし、自信はめっちゃ持つようにしています。

—— 将来の夢は何ですか。
M

私は将来美容師になりたいのですが、着付けの資格も取らせていただいたので、着付けをとおして美容師もするみたいな、そういう存在になりたいと思っています。

いちばんは、来てくれる方に喜んでもらうこと。

そして、自分だからできる接客や技術を身につけていきたいなと思っています。着付けもですが、いまはネイルなども選択授業で習っているので、友だちにもしてあげられたらいいなと思います。いろいろなことを吸収して、なんでもチャレンジしていきたいです。美容師になって何かをあきらめるとか、こうあるべきというように決めつけるのではなく、なんでも、「とりあえずやってみよう」という精神でやっていけたらなと思っています。

A

自分のなかで3つ、大きく立てている目標があります。

いちばん大きな目標は、どんな形でもいいので有名になること。

さらに、ヘアでもメイクでもネイルでも、ひとつの施術でお客様が自分に自信を持って、笑顔でいられるようにすること。1回きりの人生なので、誰かの人生に関われるのなら、その人の人生を変えられるような人になりたいです。

そして3つ目は、いつか海外でも活躍してみたいということ。

だから、まずは有名になって、コンプレックスを持っている人や生きづらさを抱えている人に自信を持ってもらい、その人の人生を変えられるようになる。最終ゴールは、ハサミ1本持って海外を飛び回るでも、なんでもいいかな……。たとえ向こうの美容室に就職しなくても、留学してみたり、人とのつながりを得て、海外で活躍できたらいいなと思っています。

「SUPER BIDO」は、初代山野愛子が提唱した「美道5大原則」の理念にのっとり、美容の理論と実践を通して、変わりゆく多様な文化の足跡を残すべく立ち上げたプロジェクトです。世界で活躍するアーティスト、山野学苑OBや在校生の作品のほか、同学苑で行っているさまざまな取り組みをご紹介しています。また、各界で輝くさまざまな人々を「美容」というキーワードで繋ぎ、盛り立てていくことで、美容業界の発展に貢献することを目的としております。

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