KIMONO COLLECTION

Furisode

中村音香
Otoka Nakamura
伊波愛乃
Yoshino Iha
@otoka_55
@iha.y81
—— 撮影を終えての感想をお聞かせください。
O

はじめて撮影現場に入ったので、段取りが悪いのではないかと心配でしたが、アシストしてくれる友だちもいましたし、先生たちと相談しながらだったので、けっこうスムーズにできました。

ただ、モデルさんの髪質がウィッグや日本人のものとは違ってすごく柔らかく、扱いづらかったので、勉強になりました。

Y

撮影現場を経験するのがはじめてだったので、いろいろ考えながら動いたつもりでしたが、実際に外国のモデルさんにやってみると、練習と全然違って思うようにいきませんでした。

結局、先生の助けをたくさん借りてしまったので、ちょっと悔しい気持ちはありますが、それがすごく勉強になったと思います。

—— 写真の作品を見てどう感じましたか。
Y

ものすごく感動しました。
作っていたものが形になったのもうれしかったんですが、モデルさんにヘアメイクをしてレスリーさんが撮ると、自分たちの作品が大作みたいに見えて、すごいなと思いました。

O

風を使ったり、着物の袖を飛ばしていたりしながら撮影されていたので、走っているような感じになっていたんですよね。
そのおかげで、自分たちがイメージしていた以上に空気感がある作品になったなと思います。

—— 日本の伝統文化をコンセプトにした作品でしたが、そこに至った理由や表したかった想いをお聞かせください。
Y

テーマが「celebration」だったので、何をお祝いしたいかをふたりで考えたとき、工芸品を含めた日本の伝統文化を祝いたいなと思ったんです。日本の工芸品や芸能は素晴らしいものですが、だんだん後継者がいなくなって衰退していたりとか、なじみがないものになってきているのが少し悲しかったんですね。ですからこのコンセプトで、自分たちが住む日本の伝統の素晴らしさを作品として表してみたいと思いました。

最初は3パターンを考えていたので、市女笠や花笠飾りのアイデアもあったのですが、結局は籠を使った作品になりました。大正時代から続いているフィンガーウェーブを使って、ヘアやメイクで日本の素晴らしさをお祝いする気持ちを表しています。

ただ、この籠を1個1個編むのが大変でした。編み方を先生に教わって、そこから練習しつつ作ったのですが、形がうまく決まらなかったり、ちょっと色が足りなかったり、平面で作ったときと立体にしたときで見え方が違ったりで作り直しもあって……。

やってみると違うなという感じで、もっともっとという気持ちになりましたね。

O

籠の色をカラフルなものにしたのは、伝統文化の多様性を表現したかったからです。

笊を土台にして、そこに針金で縫い付ける感じで、ある程度形を作ってから当日モデルさんの頭にかぶせました。でも、モデルさんの頭が小さすぎて、そのままだとはまらず、けっこう大きなすき毛を詰めてから土台を作って、そこに載せました。これはアップスタイルのコンテストなどでやる技術なんですが、それを見てすごいキレイだなと思っていたので、取り入れてみたんです。でも実際にやって、たくさん組み合わせてみると、普段はやっていないことなので難しいなと思いました。

事前の準備としては、最初はヘアとメイクのどちらもできるようにと思っていたのですが、前回の号に参加された先輩から「役割を分けたほうがいいよ」というアドバイスをいただいて、私がヘアを、伊波さんがメイクを担当することになったんです。

でもこのフィンガーウェーブも、本来は3セクションで表現する予定だったんですが、頭が小さすぎて2セクションで大丈夫だったりとか……。なので、貼るときに、どういう配置をするかで時間がかかってしまいましたね。

—— 今回は着物コレクションのページでしたが、振袖を使ってみてどうでしたか。
Y

今回使わせていただいた振袖は、ジェーン校長先生のコレクションのものです。これまではJane’s Collectionの着物を直接見る機会があまりなかったのですが、この撮影のおかげでほかの候補の着物もたくさん見せていただきました。古典的なものだけではなく、けっこう現代的な柄が多くて、スパンコールが使われていたり、見ているだけでも組み合わせが楽しいんです。今回の振袖は「マスカレード」という名前で、仮面やお祝いっぽい感じの柄のもの。黒地でかっこいいですし、振袖の華やかさを実感しました。私は着物が好きなので、着物コレクションのページに掲載されることになってよかったなと思っています。

O

籠に黒を入れていなかったので、着物が黒になることで、よりヘアやメイクが映えるなと感じました。私も1年生のときに授業で着付けをやったんですが、すごく苦戦したので……。

Y

私は自分で着物を着て歩くくらいにお着物や和のものが好きなので、学校では美容着付師の勉強もさせていただいています。そういう意味でもすごく楽しかったですし、もっと勉強したいと思いました。着付は山野流着付師の方がしてくださったのですが、先生方は手が早いですし、プロはすごいなと思いましたね。

—— ここからは作品以外のことについてうかがいます。美容の道に進もうと思ったきっかけは何ですか。
O

美容師になりたいと思ったのは幼稚園の頃なんですが、きっかけが思い出せなくて。
とくに身近に美容関係の人がいたわけでもないので、たぶんどこかで見たんだと思うのですが、自然と美容師に憧れていて、かっこいいなというイメージがありました。
そこからはほかの職業にはまったく興味がなくて、そのままずっと美容師になりたいと思っていました。

Y

私は小さい頃からずっとヘアアレンジが好きだったんです。
でも私は一度大学に進学していて、みんなより年が離れているんですね。
ただ、大学で就職活動の時期にやりたいことを考えたら、やっぱり美容の道に進みたいなと思ったんです。
でも、ここに来ることを決めた決定的なできごとは、祖母が入院していたことですね。
長く入院していたのですが、祖母はおしゃれな人だったので、髪を切ったりできないのがすごいストレスだと言っていたんです。
そんなときに美容福祉というものを知って、やっぱり美容師になろうと思ってここに来ました。

—— たくさんの学校のなかから山野美容専門学校を選んだのはなぜですか。
O

私はずっとコンテストに出たいなと思っていたんです。

ですから、コンテストに力を入れている学校を何校か巡ったのですが、OCでヤマノに来たときコンテストクラブがあることを知り、校内に飾ってある作品も見て、「自分もこれを作ってコンテストで勝ちたいな」と思ったので、ヤマノに入りました。

Y

私は美容福祉をちゃんと勉強できるところというのが第1条件でした。
地元も含めて何校か勉強できるところはあったのですが、授業としてちゃんと学べるところでいちばんしっかりしていたのがヤマノだったんです。
かつ、私が好きな着物についても1年間学べて、がんばれば美容着付師や花嫁着付師の資格も取れるということで、「絶対ヤマノだ!」と思って来ました。

—— 学生生活の楽しいところ、苦しいところはどんなところですか。
O

いまもコンテストを何個かかけもちしているのですが、私はすごく勝ちたい気持ちが強いので、そこに向かってがんばるのがすごい楽しいです。
でも、チャンスがたくさんあるので「いま何をしよう」「これをしよう」みたいに、いっぱいになってしまうことがあります。
もちろん授業もありますし、そこでパンパンになってしまうところはありますね。
ただ、大変でも「どれかひとつは諦めるか」には絶対にならなくて、全部やりたいんです。
そこが楽しくもあり、苦しくもあり、という感じです。

Y

私は、自分が好きで美容や着付もやっているんですけど、お店のコンテストに1回出させてもらったとき、追い求める理想が高すぎて、そこに届かない自分がすごくもどかしく感じちゃって……。
どれだけ練習しても「何か違う」となってしまって、それで納得いかない結果を出してしまったことがあったんです。
そこが苦しい点ではあるんですが、でも最初より成長した自分を感じられるので、そこは楽しいというか、うれしいところかなと思っています。

—— 将来の夢は何ですか。
O

私はクリエイティブなスタイルがとても好きで、LECOの内田さんという、とてもクリエイティブなスタイルをかっこよく作る方がいるんですけど、そういう「なんでこんなのが作れるんだろう」と思ってもらえるような存在になりたいなと思います。
将来はサロンに就職したいと思っていますが、撮影などもやっているようなところで働きたいです。
派手なカラーやカットをしているサロンを見つけたいなと思っています。

Y

私は欲張りなんですけど、全部できるようになりたい。
ひとりでお客さんを施術できるくらいになりたいですね。
サロン内のカットやカラーだけではなく、ブライダルもやりたいし、訪問美容もやりたい。
やりたいことがたくさんあるので、できるだけいま、いろいろなことを吸収したいなと思っています。
やはり、訪問美容をやるとなると、それだけ自分でなんでもできないといけないですし、美容福祉も含めて、お年寄り以外でもご自宅からあまり出られない方の対応などもできるように。
どんな場面でも「できない」とは言わずに済むようになりたいです。

「SUPER BIDO」は、初代山野愛子が提唱した「美道5大原則」の理念にのっとり、美容の理論と実践を通して、変わりゆく多様な文化の足跡を残すべく立ち上げたプロジェクトです。世界で活躍するアーティスト、山野学苑OBや在校生の作品のほか、同学苑で行っているさまざまな取り組みをご紹介しています。また、各界で輝くさまざまな人々を「美容」というキーワードで繋ぎ、盛り立てていくことで、美容業界の発展に貢献することを目的としております。

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