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Interview with Tomoaki Makino
Tomoaki Makino
これまでサッカーをやってきて、いいことばかりではなく、悲しいことや悔しいこともたくさん経験してきましたし、いろいろな国にも行きました。ボールひとつでいろいろな方との出会いやストーリーがあって、日常生活では味わえない興奮があります。サッカーをとおしてひとりの人間として自立できたかなと思っています。
そうですね、ほとんど学校にも行けなかったですし、修学旅行など多くの行事を犠牲にしてサッカーにのめり込んできたなかで、いまがあると思っています。僕ががむしゃらに夢を追いかけて来られたのは、小学生のとき、地元サンフレッチェ広島に在籍していた森保一選手(現日本代表監督)からかけられた『このままがんばったらプロになれるよ』というひと言のおかげなんです。だからこそいまの自分も、ひとつひとつの発言や行動で子どもたちに夢を持つきっかけを与えられたらいいなと思っています。でも、当時のことを森保さんに話したら『そんなの覚えてないよ』って言われてしまいましたけど(笑)。
ピッチに立つのは11人ですが、チームには選手が30人くらいいます。そのほかコーチングスタッフなどを含めると、全体で100人くらいいるんです。僕はチームは生き物だと思っていますが、ひとりの言動でガラッと空気や流れが変わる集団なんですね。だからこそ、投げかける言葉やタイミングには気を遣いますし、周りを見ながら誰が言うべき発言かも考えます。
いいチーム、強いチームというのは、全員が同じ目標を持って、同じ温度感で日々を過ごしているもの。ですから、監督やコーチングスタッフも、試合に出ている選手たちだけでなく、出ていない選手がいまどういう状況で、どんなふうに日々を過ごし、試合に向かっているのかを把握しなければいけませんし、僕のようなベテランの選手は若手や中堅の選手の気持ちや立ち位置を考え、観察しながら接するようにしています。これは若手の頃にはわからなかったことですね。
僕は試合前、半分パフォーマンスでもあるのですが(笑)、ピッチのなかで掌に向かって試合にかける想いや、つらいトレーニングをしてきたという自信を自分に問いかけて、常に『自分はできる。勝てる。強い!』と暗示をかけています。
正直、誰にだって不安はあるんですが、僕はよりポジティブに自分に問いかけるようなやり方で試合に臨んでいます。
一方で、わざと自分を不安にして、気持ちを掻き乱して試合に入る選手もいますから、どのやり方が正解かはわからないですね。
ただ、これまでたくさんの選手を見てきたなかでは、自分に矢印を向けて考えている選手のほうが、物事を客観的に見てひとつひとつクリアしているなという印象があります。
まずは清潔感を保つことですね。
僕らはピッチから離れたところでも、発言や持ち物、洋服などでも夢を与えられるし、真似されるような立場になっていかないといけないと個人的には思っています。
HALTENを立ち上げたのは、2018年のロシアW杯のとき、イタリアの男性誌『GQ』でベストヘアカット5人に選ばれたのがきっかけです。
それまでもファッションやヘアについての質問が多かったですし、サッカー界からはこういったアイテムが生まれていなかったので。
最初はヘアに関するアイテムがメインでしたが、僕らは常日頃太陽の下にいるので、女性並みに肌に対してのケアをしているんですよ。
そういう経験から、スキンケア製品も開発しました。
女性も使えるユニセックスなアイテムなので、たくさんの方に使っていただきたいなと思っています。
僕はサッカー選手なので、本業でしっかり結果と数字を出しながら、みなさんに求められる商品をこれからも出していきたいです。
難しい質問ですね! でも、僕は挨拶がすごく重要だと思っています。
選手としても人としても、第一印象は挨拶で70%が決まると思っているんです。
僕は高校時代の3年間で、挨拶の仕方を教えてもらったと言っても過言ではないんですよ。
恩師から、『サッカーなんてどうでもいい。挨拶でその人の器の大きさ、人間の大きさが変わってくるので、100メートル離れていようが挨拶しろ!』と教わってきましたから。
ですからいまも、たとえばマンション内ですれ違う人には必ず挨拶をするようにしていますし、街中で、知らない人にも挨拶したりします。
それくらい僕にとって挨拶は大事なことなんです。