KIMONO COLLECTION

Shiromuku

木佐貫美羽
Miwa Kisanuki
山﨑藍
Ai Yamazaki
@suitane_onaka
@____s.1996
—— 撮影を終えての感想をお聞かせください。
A

ひと安心、という気持ちです。
しっかり準備してきたからこその緊張感がありました。
準備中は、和紙を使ったものは基本的に私がパーツを作っていって、それを木佐貫さんがバランスを見ながら貼っていくという感じで作業をして、当日、現場でのメイクは木佐貫さんがメインを担当して、私はバランスを見たりとか、アシスタントをしたりという役割でした。

M

私は感覚担当をしていて、山崎さんにはベースを支えてもらいました。
準備段階ではお互いにフォローし合いながら作っていったという感じです。
いままでも学校の企画でヘアメイクの現場に行かせていただく機会が多かったのですが、今回はそれとはまったく違う空気感だったので、いつも以上に緊張しました。
ヘアメイクをするときは、事前にモデルさんや衣裳さんと軽く話し合って、そこからやるのですが、「SUPER BIDO」では準備期間がタイトでより緊張しました。
頭につける羽根も、ずっと切って貼ってという作業を細かく繰り返して来たからこそ、自分たちのなかでより明確な目標があったんですね。
周りからのプレッシャーも少しは感じていましたが、それ以上に自分たちが自ら課していたプレッシャーが大きくて、いまはそれから解放されたおかげで、とても解放感があります。

—— 写真の作品を見てどう感じましたか。
A

正直、撮影をするまでは、鳳凰の羽根の部分とかがどんな感じになるか、あまり想像ができていなかったんです。
ずっと単純作業を繰り返していましたし、ほかの人たちや先輩たちが作っていた「SUPER BIDO」掲載作品に比べるとシンプルなデザインでしたから、これまでと同様のクオリティにまで持っていけるかなと不安だったのですが、撮影してもらった作品は、想像以上にすごい迫力でした。
重みもあって、自分でもここまでできるんだと思いましたし、想像していた以上のものができたと思います。

M

準備段階では、みんなはエクステとかカラフルなものだったのに、私たちはずっと羽根などの小物の制作をしていて、ほぼ、和紙を切ったり貼ったりということしかしていないかったから、派手さがないかなって。
あまりギラギラしたくないなと思いながらデザインをしたものの、制作途中では不安がすごくあったのを、レスリーさんが全部取り払ってくださいました。
プレゼンテーションのときにお見せした「デザイン画のとおり」とレスリーさんが言ってくださって、それがいちばんうれしかったです。
朝4時半に描き上げて、登校してからも提出まで羽根の方法とか、さまざまにこだわって描いたデザイン画だったので、レスリーさんが作品からそれを感じ取って表現してくださったのが、すごくうれしかったです。

—— 白無垢と鳳凰をコンセプトにした作品でしたが、そこに至った理由や表したかった想いをお聞かせください。
M

まず最初に「celebration」と聞いて真っ先に思い浮かんだのは「生命の誕生」だったのですが、なぜ生命が誕生するのかと考えると、やはりお父さんとお母さんがいるからですよね。
それで、ふたりが結婚した時点で「celebration」だなということになったんです。
和装にした理由は、私はいま結婚式場でアルバイトをしているんですが、みなさんドレスを着られているんですよね。
私の周りだけかもしれませんが、友だちと話していても、和装がいいという話はあまり聞かなくて。
でも、私がいままで作ってきた作品は無意識のうちに和のものが多かったんです。
ですから今回も、自分がこれまで積み上げてきた和のジャンルでいきたいなと思い、白無垢にしました。
また、角隠しはもともと知っていたのですが、かんざしなどのモチーフに鳳凰があるということは知らなかったんです。
でも調べていくうちに、鳳凰というキーワードが出てきて──私が表現したかったのは、私の母のイメージだったんですね。
強さや包容力があり、常に支えて、包み込んでくれている母のイメージに合うなと思って、鳳凰にしました。

A

じつは、最初に木佐貫さんがコンビを組んでいたのは私じゃなかったんです。
でも、もうひとりの子が参加できなくなってしまって、急遽、オーディションの2日前くらいに、ピンチヒッターで参加することになりました。

M

それにもかかわらず、山崎さんが私のデザイン画や説明文を見たり、話し合ったりすることで、私がうまく伝えられない部分を感じ取ってくれたんです。
ですからデザインする段階では一緒ではなかったんですが、たぶんふたりで制作していなかったら、デザイン画どおりにはできなかったと思いますし、ここまで完成させられなかったと思っているので、感謝しています。

—— 今回は着物コレクションのページでしたが、白無垢を使ってみてどうでしたか。
M

実際の白無垢姿を見て、ドレスとはまた違ったよさをすごく感じました。
いまの時代に求められているものとは違う美しさというか……。
ドレスはデコルテ周りが出ていたりして露出も高いですし、裾がふわっとしつつウエストがキュッとしていたりして、ボディラインが出るものですよね。
それは、いま私たちが求めている美しさを表すものであり、私たちくらいの世代には、白無垢などの和装の花嫁衣装は古いものだという印象がある気がするんです。
でもドレスだと、見た目に対する劣等感を持ってしまったりもする。
今回、着物はひとりひとりの個性を生かして美しく見せてくれる衣装だなと改めて思いました。
私自身、ヤマノに入学する前は、着物は寸胴にして着るものだし、太って見えるからドレスのほうがいいなと思っていたんですけど、入学してからは考えが変わりました。

A

偏見ではないですが、現代では花嫁衣装って、ドレスというイメージが強いですよね。
でも、シンプルに、着物のよさに気づいて欲しいなと思いました。
ヤマノに入って着物が身近になってからはじめてそのよさに気づけたのですが、今回はそのよさをさらに学ぶきっかけになりました。
また、着付をしてくださった山野流の先生方の技術がすごかったです!
私たちはまだ白無垢などの着付はできないので、はじめて着付けるところを目の当たりにしたのですが、留袖などの着付とは全然違っていて、それもとても興味深かったです。

—— ここからは作品以外のことについてうかがいます。美容の道に進もうと思ったきっかけは何ですか。
A

きっかけは、中学生の頃に雑誌でメイク特集の記事を見て、自分もヘアメイクをしてみたいと思ったことです。
それと、私はずっとダンスをやっているのですが、その発表会などにヘアメイクさんが来てくださっていたんですね。
その姿を見て、こんなふうにステージに関わる仕事をしたいなという思いもあったので、自分もヘアメイクでステージなどに関われたらいいなと思ったんです。

M

私は小学生の頃、ハリーポッターが大好きだったんです。
それで、いまではちょっと恥ずかしいんですが、当時は魔法使いになるのが夢だったんですね。
でも成長して、「あぁ、魔法使いにはなれないんだな」と気づいてからは、魔法の世界を作るお仕事に就きたいと思うようになりました。
そんなとき、メイキング映像などを見ていて、特殊メイクが目に留まったんですね。
ずっとCGだと思っていた魔法生物がCGではなく特殊メイクのマスクだったと知って、実際に自分の目で見て、手で触れられる形で、夢だった魔法の世界を作る技術に魅了されて、ヘアメイクや特殊メイクのお仕事に就きたいなと思いました。

—— たくさんの学校のなかから山野美容専門学校を選んだのはなぜですか。
A

設備が整っている印象が強かったのと、生徒数が多いので、いろいろな人から刺激をもらえるかなと思ったのが大きかったです。
イベントに参加するたびに新しく友だちができることもすごく楽しいです。

M

私も設備がすごく整っていることですね。

私は緊張しやすいタイプなので、ガラス張りだとか、常に人に見られる環境で練習ができるという話を聞いて、自分に合っているなと思ったのです。

あとはやはり、生徒数が多いこと。

美容業界はすごく人口が多いので、学生のうちからたくさんのなかで切磋琢磨し合えるし、いろいろなことを吸収したりできるのではないかと思いました。

また、私は海外経験があって、英語が強みだったということもあります。

ジェーン先生が英語でお話しされることも多いですし、海外との交流がすごくある。

SUPER BIDO」などの企画も多かったので、自分のしたい経験を、自分の強みを生かしながらできるのではないかなと思ってヤマノに入りました。

—— 学生生活の楽しいところ、苦しいところはどんなところですか。
A

楽しいところは、いっぱいいろいろな人と会えることですね。

いままで自分が出会わなかったタイプの人とも出会えました。

美容学生は見た目が派手な人もいますよね。

私自身はそういうタイプではなかったので、ちょっと怖いなと思うところもあったんです。

でも、実際に入学してみたら、最初は戸惑う部分もあったんですけど、一緒に授業を受けたり、休み時間に遊んだりしていくうちに、いろいろな人のよさや魅力を感じるようになりました。

みんなすごくやさしいですし、誰とでも仲よくできる子がたくさんいて、かっこいい。

それに気づいてから、それまで無意識に作っていた壁がなくなって、見た目にとらわれることなく、自分と違う面白い人がいるんだなと思えるようになりましたし、さまざまなタイプの人と関わって、好きになれるようになったと思います。

M

私も、自分の世界にそういう人がいなかったので、避けていた部分があったのですが、壁がなくなったことで、世界が広がったと思います。

いままで怖がって楽しめなかった部分も楽しめるようになりましたね。

外国人の先生もいますし、着付の先生たちもみんなやさしくて、お母さんみたいに話を聞いてくださいます。

—— 将来の夢は何ですか。
M

特殊メイクもやりたいですし、この学校に入ってからは普通のヘアメイクのお仕事にもすごく興味が出てきていて、いまはちょっと迷っています。

でも、海外でのお仕事も幅広くできるようなヘアメイクさんになりたいです。

せっかくヤマノに入って、こんなにもたくさんのことを学ばせていただき、吸収しているので、欲張りですができることは全部やりたいと思っています。

A

私は最近までずっとヘアメイクをやるか美容師をやるか迷っていたのですが、インターンシップで美容室に1日行ったとき、想像していたよりもずっと美容師の仕事が楽しいなと感じたんです。

ですから、まずは美容師を目指してがんばろうと思います。

ただ、ヘアメイクなどいろいろなことができるようになりたいので、それがいまの目標です。

作業的、機械的にカットをするのではなく、お客さまがサロンに来たところからお帰りになるまで、しっかり大事にできて、人に寄り添える美容師になりたいです。

「SUPER BIDO」は、初代山野愛子が提唱した「美道5大原則」の理念にのっとり、美容の理論と実践を通して、変わりゆく多様な文化の足跡を残すべく立ち上げたプロジェクトです。世界で活躍するアーティスト、山野学苑OBや在校生の作品のほか、同学苑で行っているさまざまな取り組みをご紹介しています。また、各界で輝くさまざまな人々を「美容」というキーワードで繋ぎ、盛り立てていくことで、美容業界の発展に貢献することを目的としております。

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