SUPER STUDENTS

LUVIT

吉橋美琴
MIKOTO YOSHIBASHI
板倉琉世
RYUSEI ITAKURA
—— 撮影を終えての感想をお聞かせください。
R

「俺ら、最強だな」と思いました。
他の作品もすごかったのですが、やはり自分が作った作品に愛着が湧くので。
制作に関しては、マジでキツキツでした。
やり始めて1週間ほどたっても全然完成が見えず、1回ふたりで心が折れたのですが、なんとか材料を揃えて作っていき、「光が見えた!」というところからどんどんハイスピードになっていきました。
結果的にすごくいい経験でしたし、自分たちの作品は素晴らしいです。

M

本当に自分たちが最強だと思います。
全部よかったのでナンバーワンは決められませんが、オンリーワンになっていたなと思いました。
制作面に関しては、精神面というより体力的にきついところがありました。
朝が苦手なので、夜まで制作して、そのあとに買い出しに行って、また朝から学校があってという繰り返しで、自分の予定も全部なくさなければいけなかったですし……。
自分はこれをやるのが夢だったので、自分の予定を削られてもかまわなかったのですが、体力的にきついところもありました。
でも、当日はすごく興奮して、自分がその場にいるのが夢のような感じというか……。
レスリーさんと一緒にお仕事ができたことも、言っていたことが実現しちゃったという感じです。
入学願書にも「SUPER BIDO」のことを書いていたので、有言実行できて本当にうれしかったですし、楽しかったです。
自分はヤマノに入学する決め手が「SUPER BIDO」で、本当にやりたかったので。

—— 写真の作品を見てどう感じましたか。
M

言葉では表せないです。
なんかもう、ぐっときて……120%が500%になりました。
感動です。
ちゃんとモノになっているというか、様になっている。
モデルさんも本当にきれいな方で、唇の形もとてもきれいで、全然違いましたね。
すごくやさしい方でしたし。

R

練習していたときも、「めっちゃよくない」「絶対かわいいじゃん」と話していて、期待大で撮影がスタートしたら、モニタに作品が映った瞬間に「うわっ!」と。
世界が違う。
こんなにも変わるんだと思いました。
自分たちが作ったからこそという思いもあるけれど、レスリーさんの力は本当に大きいと思います。

—— おふたりでどのような役割分担をされたのですか。
M

最初のデッサンの時点ではヘアとメイクに分かれていたのですが、制作に入ったらお互いに50%:50%くらいで助け合う感じでした。
本番では一応、自分がメイクで、ヘアが琉世だったのですが、どちらもそれまでに作り上げたものを半々でやっていったので、結局はふたりで全部やったという感じです。

──コンセプトは「LUVIT」ということですが、この意味とそれにした理由、作品で表したかった想いを聞かせてください。
M

選ばれるためには他の人とかぶってはいけないし、ありきたりなものにはしたくないと思っていました。
そのうえで「PINK」というテーマを考えたとき、浮かんだのがウサギだったのです。
自分は小さい頃、かわいいものをピンクで表すことが多く、ピンクのウサギを描いていた記憶が急に蘇って、なんとなくウサギはピンクっぽいなと思ったのです。
2023年は卯年ですし、ピンクは赤と白でできていますが、日本の国旗も赤と白なので、日本とウサギとピンクをかけ合わせて考えました。
それにプラスして、ピンクで表す感情は何だろうと考えたら、恋愛とか失恋といった感情かなと思ったのです。
人を好きになっていく間の、「なんなんだろう、この気持ち」みたいなものをつぼみで表して、それから恋が始まり、交際がスタートするという流れを花の開花で表現し、最後は枯れてしまって涙を流しているものを考えました。
明るい感じで表現しましたが、最後は失恋を表したものだったのです。
なので、ウサギの「RABBIT」と、恋愛の「LOVE」をかけ合わせて「LUVIT」という造語を作り、仮タイトルにしました。

R

最初、美琴がウサギというモチーフを出してくれたんですが、自分も美琴と一緒で、ありきたりなものではなく、もう少し難しいものでいきたいと思っていました。
でも、話しているときは全然思い浮かばず、適当に「こんなヘアがいいかな」と絵を描いていたんです。
もともと3パターンやる予定だったので、3段階でどんどん変わっていくモチーフがいいかなと思い、「恋愛もいいんじゃない?」と提案して。
だから、ウサギをベースに愛を加えて形にしていった感じです。
結果的に、まったく相談をしていないのに、自分がヘアのデッサンを描いていた段階から美琴が描いてくれたメイクとすごく合っていて、「いいんじゃない」と。
自分のやりたいこともできたし、たぶん美琴もそうだと思います。

──作品のなかでこだわったポイントや大変だったことはありますか。
M

メイクは、口紅のラインを絶対にきれいに引きたかったので、そこにはこだわりました。
あとは、目のまわりの白い部分をきれいにグラデーションでぼかしたかったので、時間内にやるのが大変でしたね。
最初は1時間40分かかったのですが、それをだんだん縮めていって、最終的に3パターンを30分でやることになっていたのです。
何回か練習していくうちにタイムが縮まって、「いけるね」という話はしていたのですが、当日2パターンの撮影になったので、本番はそのぶん時間ができて、余裕ができましたね。
ヘアのほうでは、琉世がすき毛を作るのがとてもうまいので助かりました。

R

髪の毛は、意外とデッサン通りに作れましたね。
ヘアはふたりでやっていましたが、すき毛は力でなんとかしました。
先生に「このすき毛は使えない」と言われたものがあったのですが、自分は否定から入られるのがすごく嫌なので、「やってみなくちゃわからない」「意地でもこれを使ってやろう」とひとりで黙々と作っていたら、頑丈なものができました。
たぶん先生たちも、経験からご意見くださったのだと思いますが、「俺がやったら変わるかもしれないじゃん」と思ったんですよね。結果的にいいものができてよかったです。

──ここからは作品以外のことについてうかがいます。美容の道に進もうと思ったきっかけは何ですか。
M

自分は小さい頃から美容に関するものを見たり、自分がするのも好きだったので。
母は髪の毛を作るのが好きで、小さいときから編み込みや盛り髪などのヘアアレンジをしてもらっていました。
おしゃれも好きだったので、子ども服のおしゃれなブランドが入ったショッピングモールに行くと気分が上がって、楽しくてしょうがなかったのです。
そういうところから始まって、小学生のときに母がメイクをしているのを見て、「自分もやりたい!」と思い、100均で化粧品を集めて友だちの家で化粧したりしていました。
最初の夢は美容師だったのですが、だんだん、自分は髪の毛を切ったり染めたりすることより、おしゃれやメイクをして遊ぶのが好きだと気づいて、一時、夢が美容部員に変わったのです。
でもよく考えたら、美容部員は売る仕事なんですよね。
自分は技術をするのが好きだから、美容部員ではなくヘアメイクだな、と。
ヘアも、カットとかは別に好きじゃないのですが、髪をセットしたり、作り込むことはすごく好きなので、ヘアメイクアップアーティストが自分の夢だなと確信して、それを目指して進んでいます。

R

自分は子どもの頃に歌舞伎をやっていたのですが、毎回公演でかつらを使うわけではないのです。
なので、以前美容師をしていた母が、何人もの子どもの髪を整えている姿をずっと近くで見てきました。
その後、高校生になってから、自分の髪型を気にするようになり、いろいろなヘアセットをするようになりました。
演劇の高校に進学したのですが、公演時に講師の人に「どういう役のイメージですか?」と聞いて、男子のヘアをそれっぽく作っていたら「ああ、楽しいな」と。
自分のヘアをやるのも楽しいし、人の髪で遊ぶのも楽しいなと気づいて、美容学校に入ることにしました。

──たくさんの学校のなかから山野美容専門学校を選んだのはなぜですか。
M

自分は直感ですね。
雰囲気というか。
本当は他校にしようと決めていたのですが、念のため他校も見ようと思って見学に来たのがヤマノでした。
そうしたら、入った瞬間に「あ、ここだわ」と。
本当にきれいで、施設や設備もちゃんとしていましたし、渋谷や原宿に近いのもいいなと思った部分です。
ハリウッドへの研修旅行や特殊メイクの話も聞いて、めっちゃ夢が広がりました。海外にもいろいろなパイプを持っていて繋がりも多いし、チャンスがたくさんあるなと思ったのも決め手でした。

R

自分は本当に、そんなに深い意味はないです。
他の学校も調べたのですが「美容専門学校ランキング」で検索したら、1位だったのでここにしました。
ただ、進路を決めたときにはもうオープンキャンパスが終わっていましたし、そもそも同年代の初対面の人が苦手なのでオープンキャンパスに行く気もなく、学校側に頼んで、親とふたりで学校見学をしたのです。
ちょうどそのとき、誰か俳優の方が校内で撮影をしていたんですね。
撮影現場を見ることはできなかったのですが、その話を聞いて「ここ、すごいんだなあ」と思ったので決めました。

──学生生活の楽しいところ、苦しいところはどんなところですか。
R

高校生のときに遅刻・欠席が多かったので、学校見学に来たときに「遅刻はダメです」と言われてから、受験期までは無遅刻でがんばっていたのですが、最近、ボロが出始めました。

M

自分の高校は大学のような90分制の学校で、単位を計算して自分で時間割を組めるところだったので、うまく組み合わせて週3回しか学校に行っていなかったのです。
また、高校は自転車で10分程度と近かったこともあり、いまは朝起きることが本当に苦しいです。
おしゃれもお化粧もちゃんとして通いたいという気持ちもあって、よけいに朝がキツいですね。
楽しいのは、友だちといるとき。
いろいろな人がいるので、新しい交友関係ができました。
あとはやはり、課外活動などに参加して、自分が作り上げた作品ややったことに対して、ちゃんと評価されるのはうれしいですし、楽しいです。

R

今回の「SUPER BIDO」はまさにそう。担当してくれた先生も最後に超褒めてくれました。
クラスも平和だし、人間関係は楽しいです。本当にいろいろな人がいるなと思います。

──将来の夢は何ですか。
M

世界一のトップヘアメイクアップアーティストになりたいです。
「世界的に有名になる」という意味もありますが、出会って担当したひとりひとりに「この人めっちゃよかったな」と思ってもらうという意味でのナンバーワンです。
それこそが、自分のなかでは世界一かなと思っています。
ヘアメイクアップアーティストを目指しているので、ビッグな人を担当したいという夢もありますが、オールマイティでやっていきたいです。
海外も目指したいので、地道に英語の勉強もしないとと思っています。

R

美容師として有名になりたいです。
そのための手段などは、まだ情報収集中ですが。
とりあえずは、技術力もそうですし、人柄や交友関係、成すことも含めて、若いうちに美容業界から一目置かれるような存在になりたいです。
でもいちばんは、自分が担当することになるお客様からの支持ですね。
また、日本では美容師は「3B」などと言われることがあって、ネガティブなイメージがあると感じています。
仕事自体は素晴らしいけれど、人間的にはダメと言われがちなんですよね。
ホストもそうですが、たとえばローランドはさまざまな業界の人から一目置かれています。
それは人間として評価されているからだと思うので、彼のように、悪く言われがちな職業を変えていきたいですね。

「SUPER BIDO」は、初代山野愛子が提唱した「美道5大原則」の理念にのっとり、美容の理論と実践を通して、変わりゆく多様な文化の足跡を残すべく立ち上げたプロジェクトです。世界で活躍するアーティスト、山野学苑OBや在校生の作品のほか、同学苑で行っているさまざまな取り組みをご紹介しています。また、各界で輝くさまざまな人々を「美容」というキーワードで繋ぎ、盛り立てていくことで、美容業界の発展に貢献することを目的としております。

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