SUPER STUDENTS

FLAMINGO

黒須美弥
MIMI KUROSU
市ノ澤音羽
OTOHA ICHINOSAWA
—— 撮影を終えての感想をお聞かせください。
O

プロのカメラマンと関わる現場にはじめて入らせていただき、限られた時間のなかで、いかに自分たちが表現したいものを撮影で形に残すかということで苦労した部分はありましたが、学んだことも多くありました。
いままでの課外活動では感じたことのない、心が動く瞬間がたくさんあったと思います。
カメラマンさんやスタイリストさんなどプロの方の力が加わっているからこそ、私たちの表現したいものがグレードアップされて、素敵な作品を形として残すことができました。
本当によかったと思っています。

M

今回、レスリー・キーさんとのこういう機会をいただけて、すごくうれしい気持ちです。
いままで経験した課外活動は、「みんなでがんばってやっていってこう!」という感じでしたが、プロの人と関わり、時間を気にする現場がはじめてだったので、間に合うのかなという心配もあったのですが、緊張よりも楽しんでメイクすることができました。
またメイクが好きになれたし、ヘアメイクをやりたいという気持ちがさらに強くなった1日になりました。

—— 写真の作品を見てどう感じましたか。
O

自分たちが作った作品だけだとちょっと物足りなさがあり、フラミンゴの動きやよさを引き出すのが難しいと感じた部分もあったのですが、レスリーさんのおかげもあって、私たちが表現したかった、静止画なのに動きを感じるような迫力のあるフラミンゴを形にできたのかなと感じました。
フラミンゴの表情が出てきているような感じがしました。

M

作品自体は練習と同じものを作っているのに、プロの力が加わったおかげで、装飾などの小物も自分では絶対考えられないような使い方をしていただきました。
レスリーさんの感性が素晴らしく、私たちが作ったやや平面的な作品が立体的になった気がして、芸術作品みたいです。
写真を見て、自分たちが作った作品じゃないみたいだと思いました。

──おふたりでどのような役割分担をされたのですか。
O

黒須さんがメイクアップを、私がヘアをメインで担当していました。

──コンセプトは「FLAMINGO」ということですが、これを選んだ理由と、この作品で表したかった想いを聞かせてください。
O

今号のテーマが「PINK」だと聞いたとき、最初に思い浮かんだ「幸せ」というキーワードを作品で表現したいなと思い、調べていくうちにフラミンゴが出てきました。
フラミンゴは「幸せの象徴の鳥」と言われ、スピリチュアル的な意味で「いまを生きる」という強い思いが込められていると知り、「幸せ」を表現する裏で「いまを生きる力強さ」を、作品を通してみなさんに伝えたいなと思いました。

M

フラミンゴは片足で立つバランス感覚が必要な鳥。
細い足でバランスよく立ち、体を支える強さを表現したいと思いました。
最終的に、作品を見た人が少しでも幸せになるようなものを作れたらいいなという気持ちで、このコンセプトにしました。

──作品のなかでこだわったポイントや大変だったことはありますか。
O

いちばん大変だったのは、フラミンゴを作ること。
フラミンゴのモチーフは、針金を通して綿を入れ、人形を作るときと同じ方法で作っているのですが、それを6体作るのがすごく大変でした。
こだわったところは、2カット目でフラミンゴを2羽結び、広げた翼にたくさん羽をつけたところです。
フラミンゴは立っていると静かに見えますが、飛んでいる姿は力強さを感じさせるので、そこにコンセプトのひとつである「いまを生きる」という強い想いを乗せられるように、羽をたくさんつけました。
また、アクセントで青色の羽を入れてみたりと、この部分はこだわりを持って作ったと思います。

M

頭の部分が派手でボリュームがあるので、メイクのほうは柄やビーズを使うよりは色や線で表現したいなと思い、1カット目はピンクを目元に強く出して、まつ毛を上下につけることで羽のようなものを表現しました。
ピンクだけだと平面的になってしまいますが、つけまつ毛を上下につけることで、少し立体的な動きがある印象になったと思います。
2カット目は1カット目の作品に足していく形で変化させたのですが、水色のラインをさらに引くことで1カット目との差をつけています。
また、2カット目はより力強さを表現したかったので、目尻のほうに紫などの少し強い色のラインを入れて、色や線で強さを表現しました。

*今回の完成版では1カット目のみご紹介しています。

──ここからは作品以外のことについてうかがいます。美容の道に進もうと思ったきっかけは何ですか。
O

幼稚園生の頃から人の髪の毛をいじるのが好きで、母の髪を三つ編みにして喜んでもらった経験があったのです。
自分の手と相手の髪だけで誰かの幸せを作ることに魅力を感じて、それから美容師を目指すようになりました。
また、中学生の頃に「自分の幸せってなんだろう」と考えたとき、周りの人が幸せであることが自分の幸せであり、人の幸せを作るためには自分が幸せである必要があると思い至ったのです。
そこで、自分が幸せで、かつ誰かの幸せを作ることができる職業に就きたいと考えたら、自分には美容しかないと思って、この道に進む決意をしました。
夢としては、幼稚園生の頃からずっと変わっていないですね。

M

最初は中学生のとき、メイク動画や雑誌を見るのが好きで、美容に興味を持ちました。
それから高校に進んで進路を考えたとき、やっぱり自分の好きなことをやりたいなと思ったのです。
学校で禁止されていたこともあって自分ではあまりしないけれど、人にメイクをしたり、美容で幸せになってほしいという気持ちから、美容の道に進もうと思いました。
また、高校3年生のとき、姉に成人式のメイクをしてあげたら、「いつもと違って自分に自信が持てるメイクだった」とすごく喜んでくれたのです。
姉に褒められたことがあまりなかったので、その言葉がとてもうれしく、「メイクで人に自信を持ってもらえるのなら、やってみようかな」と思うようになり、この道に進みました。

──たくさんの学校のなかから山野美容芸術短期大学を選んだのはなぜですか。
O

もちろん美容のことも学びたかったのですが、それと合わせて「起業したい」「自分でメイク用品を作ってブランドを立ち上げたい」という思いもあったので、ビジネスや経営に関することも一緒に学べる学校を探していくうちに、美容の技術とともに一般教養も学ぶことができる山野美容芸術短期大学を見つけたので、入学することを決めました。

M

私はヘアメイクもやりたかったけれど、美容師もやりたかったんです。
美容の世界に行きたいけれど、何をしたいかが明確になっていなかったので、短期大学に入ることによって美容の世界にも進めるし、他のことを学びたくなったときに四年制大学への編入ができるということも聞いて、自分の幅を広げることができるかなと思ったのが理由のひとつです。
実際にオープンキャンパスに行ってみて、先輩がとてもやさしかったり、先生がすごく親切にお話ししてくださったりして、「あ、ここかな」と。
勘というか、直感で決めました。

──学生生活の楽しいところ、苦しいところはどんなところですか。
O

挑戦できる機会がたくさんあるのが楽しくもあり、ときに苦しくもあるという感じです。
課外活動では今回のような機会のほか、ヘアメイクに限らず、たとえば着付けのコンテストなどもあります。
そういう機会が多く、たくさん挑戦できるのです。
学校で学ぶだけでなく、学んだことを外で生かして、また反省点を学校に持って帰って学び直し、また生かすという形で、挑戦できる機会があるからこそ気づける成長や見つけられる反省点があります。
だからこそ、楽しさもあるけれど、ときに苦しいなと感じることもあります。

M

たくさんの活動に参加させてもらっていて、課外活動もそうですし、ヘアショーなどにも参加させてもらっているので、いろいろなものが見えてくるんですね。
自分の技術が足りないところも見えてくるし、技術面だけではなく行動面でも「ここではこれが必要なんだ」「ここを見なきゃいけないんだ」と、視点が広がるのがいいところであり、楽しさでもあります。
でもそのぶん、たとえば今回も、「PINK」というテーマに沿って自分でアイデアを生み出さないといけないとき、行き詰まったりすると少し苦しいなと思ったりもします。
誰しもが通る道だと思いますが、そういう面で楽しさもあるし、苦しさもありますね。

──将来の夢は何ですか。
O

以前アフリカに行ったことがあり、そこでスラム街や村を見たとき、絵を描く才能や、ゼロから何かを作り出す才能がある子どもたちがたくさんいるのに、それを伸ばすための教育を受けられていなかったのです。
教育を受けていないため仕事に就けず、日雇いの仕事をしている大人の方にもたくさん出会ったので、そういう人たちに美容教育を届けることで、それぞれの才能を生かせる環境を作りたいと思いました。
教育を届け、さらに仕事を提供することで、安定した職と収入を得られる環境も作ることができると思うので、まずは美容教育を子どもたちに届けて、収入を得るための職業に就けるような支援がしたいなと。
最終的な夢はそういうったものですが、学校を卒業したら美容師として日本で働いて、「自信を持って人に提供できる」という確かな技術力を身につけてから、技術を教えたりしたいなと思っています。

M

私は最終的にはヘアメイクアップアーティストになりたいと思っていて、そのためにまずはサロンに就職し、美容師としてのヘアの技術とメイクを学べたらと考えています。
自分はヘアがあまり得意ではないのですが、できるようになりたいですし、好きになりたいと思っています。
だから、苦手克服ではないですが、そのためにもサロンに就職して、ヘアもメイクも好きになりたいという気持ちがあります。
のちにヘアメイクアップアーティストとして、仕事ができるようになったらいいですね。

「SUPER BIDO」は、初代山野愛子が提唱した「美道5大原則」の理念にのっとり、美容の理論と実践を通して、変わりゆく多様な文化の足跡を残すべく立ち上げたプロジェクトです。世界で活躍するアーティスト、山野学苑OBや在校生の作品のほか、同学苑で行っているさまざまな取り組みをご紹介しています。また、各界で輝くさまざまな人々を「美容」というキーワードで繋ぎ、盛り立てていくことで、美容業界の発展に貢献することを目的としております。

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