どんなことをイメージして作品を作られたのですか?
OCEAN TOKYOでは、みなさんが真似できて、やりたくなるようなスタイルを提供していますが、今回の撮影では、現実ではあり得ないようなものにリアルを落とし込みたいなと思いました。それで実在した“海賊”を題材に、アイテムや衣装に関しては昔の海賊のイメージですが、そこに現代の髪型をミックスして、「Fantasy」のなかに「Real」を落としこむつもりで、この作品を作りました。
作品のなかでこだわった点はどんなことですか?
“海賊”というかつて存在していた人物像に、髪型で今の時代をミックスさせたところですね。海賊なので、強さや気品、爽やかさという部分も見せたかったです。あとはシチュエーションですよね。夜の海賊船の上で、霧がかかってきて気味が悪い雰囲気、幽霊船と出会った瞬間とでもいうような場面でやりたいなと思って、ドライアイスなども使用しました。強さを出したいときは、影がしっかり入るほうがいいと感じたので、影が生まれやすい、夜っぽいライティングにしました。
爽やかさについては、最初は朝っぽいイメージをリクエストしたのですが、撮影時間の都合で夜になってしまったので、どう表現するかも考えましたね。レスリーさんから、服を着たまま濡らしていきたいというリクエストがあったので、徐々に衣装で爽やかさを出していき、濡れ髪で少しセクシーさが出ればいいなと思っていました。メインの写真は、実は最後のカットだったのですが、透け感が出た濡れたシャツに濡れ髪で、爽やかさとともにセクシーさが出たと思います。今は若い人でも、大人っぽさや色気をヘアスタイルに取り入れるようになってきて、前髪が長めのスタイルが多くなってきたんです。そういう流行も取り入れて、大人っぽさを出せたらいいなと思っていました。
2枚目の写真は、泳ぎ終わって海面に出てきたというようなテンションです。それにプラスして、戦いの前に相手に向かっていくような強さがある。雨のなかを歩いている感じと言いますか。3枚目の写真は、船上にいる気品溢れる船長という強いイメージです。
「Fantasy」というテーマなので、ストーリーが伝わってほしいなと思っていました。見た人が「こういう場面なんだろうな」と、イメージが膨らんだら楽しいかなという思いがあったので。見る人それぞれで受け取り方は自由でいいのですが、なんとなくイメージしやすい感じで撮りたいなと思っていました。
レスリーさんが撮影された作品を見ての感想をうかがえますか?
レスリーさんによって写真に落とし込まれた瞬間に、息が入るような力強さが表れて、写真が生きているなと感じました。静止画だけれど、力強い。動きのなかの写真なので勢いもありますし、その人が持っている力強さがすごく出てくる写真だなと思いました。ヘアスタイルを作っているときに接したモデルさんは柔らかいやさしい印象の方でしたが、写真になると違う部分を引き出せる。面白いですね。
ここからは、作品以外のことでうかがいます。なぜ美容の道に進まれたのでしょうか?
理由はいくつかありますが、まずは勉強をしたくない、大学に行きたくないと思っていたのがひとつ。あと、僕は実家が自営業なんですが、絶対に継ぎたくないというのがふたつ目。3つ目に、中学1年生のときに「美容師かな」と思ったんです。他にもパティシエや保育士さんが浮かんだ時期もあったのですが、高校3年生になって進路を決めるときに、やっぱり美容師かなと。そのときいちばん興味があったのが美容だったので、そのまま進みました。親にも反対されませんでしたし、好き勝手に選ばせてもらったという感じですね。
たくさんの学校のなかから、山野美容専門学校を選んだのはなぜですか?
いちばんは、どこよりも有名だからです。そもそも美容師についてそこまで深く考えていなかったり、調べたりもしていなかったときから、山野美容専門学校は知っていましたので。大学であれば、東京大学や早稲田・慶応はみなさんも知っていると思いますが、同じくらい知名度がある有名なところに進学するというのが、僕のなかでは絶対条件だったんです。逆に、他の学校を考えたことがなかったですね。他校のオープンキャンパスに行ったりもしたのですが、それはそこに当時憧れていたモデルの人が来るから見にいくという程度で、最初から決めていたという感じです。
学生時代の思い出をうかがえますか?
海外研修はとても思い出深いですね。はじめての海外だったこともありますし、中学高校、専門学校までずっと同じだった親友がいたので、すごく楽しませてもらいました。現地ではショーなどさまざまなものを見させていただいて、普段は見られないもの、感じられないものを感じさせてもらったと思っています。
普段、お仕事をするうえで大事にされていることはなんですか?
どうお客様を喜ばせるかではなくて、どうしたらお客様の喜びを最大化できるか、ということです。ただ喜ばせたいのではなく、最高に喜ばせたい。技術はもちろんですが、会話でも、言葉のチョイスやいろいろな工夫をして、“嬉しい”ではなく“感動”させられるようにと考えています。
美容に携わる人として、これからどんなふうに活動していきたいと考えていらっしゃいますか?
最後に、美容業界を志す後輩たちに一言いただけますか。
みなさん、美容師の仕事が大変だというのはわかったうえでこの道に入っていると思いますが、思いの外、周りも当たり前にがんばっています。そういうなかで「自分もがんばっている」程度だと、結果として飛び抜けないんですね。「他よりも絶対に自分のほうががんばっている」というくらいに努力しないと厳しいと思います。「自分なりにがんばった、努力した」ではなく、「誰しもが認めるくらいがんばった、努力した」というところまで続ければ、必ず結果は出てくると思うので、「つもり」ではなく、しっかり結果を求めて、最後までがんばり続けてほしいなと思います。
Now, I’d like to learn about you. What is important to you in your work?
More than satisfying my clients, I think of how I can make them the happiest they’ve ever been. Of course my skills are not only as a stylist, but also as a communicator. My choice of words are very important to the process. I want my clients to be both satisfied and impressed.
What was your inspiration for this design?
I wanted to incorporate reality with the theme of fantasy. I used the image of a pirate and chose a costume reflecting that of a pirate from long ago with a modern hairstyle. The main picture is of him in a wet shirt with wet hair, combining both a cool and sexy look. Recent trends for both young and old include longer bangs and I feel like I was able to demonstrate this. The second picture depicts the pirate swimming out of the ocean. It shows him as strong and ready for battle. The third shows a strong and dignified pirate captain.