COLORS OF HEARTS

野口穂南さん
Honami Noguchi

矢田菜津紀さん AFLOAT
Natsuki Yada

野口穂南

ハートを作品のモチーフにしたきっかけを教えてください。

H 「Love」と言えば「ハート」ですよね。でも、他の人のものにはハートを使わない作品が多かったんです。なので、私は逆にハートでいこうかなと考えました。とはいえ、ありがちなものではなく、だんだんハートができていったり、増えていく作品を考えました。さらに、メイクに重点を置いて、色のそれぞれに意味を持たせたのです。オレンジは「温かな愛」、黄色は「友愛」、ピンクは「初恋」、緑は「嫉妬」、黄緑が「癒し」、水色は「深愛」、赤は「情熱の愛」、青は「信頼の愛」、紫は「ロマンチックな愛」。そして白は「純粋な愛」を表現しています。もともとそういう意味があると調べた色もありますし、自分のイメージと配色バランスを考えて意味を決めたものもあります。そしてそれぞれの色の意味から、「友達から始まり恋をして、嫉妬したり喧嘩をしたりし、完璧なハートが完成する」というストーリーをアレンジで表現していき、最後には恋の終わりを表すことにしました。ですから最後は、失恋して髪もメイクも崩れるような感じになっているんです。もし5パターン目があったら、そこにまた新しいハートができて、それらをずっと繰り返していくというイメージを考えていました。そうやって人生は続いていく、というような。ですから最後のアレンジでは、「恋は終わったけれど純粋な愛だけが残る」というようなイメージにしました。このストーリーをプレゼンでお伝えしたとき、レスリーさんから「まるで1本の映画を見ているようだよ」という嬉しいお言葉をいただきました。

AFLOATの矢田さんとのコラボレーションは、いかがでしたか?

H 最初のプレゼンのときは絵で表現していたので、実現不可能なことを描いていたんですね。「これは難しいんじゃないか」とも言われました。たとえばウィッグも、実際の撮影でも重くて後ろに倒れてしまうような場面があったのですが、矢田先生がピンをいろいろなところから刺して重心が前にくるように調整してくださったり、前髪もモデルさんの顔の長さに合わせて当日現場で切っていただいたりしました。そのときのハサミの使い方が早くて上手で丁寧で、技術に見とれてしまいました。撮影中に乱れたヘアも、すぐにキレイに直していただいて、本当にありがたかったです。
実はこのハートのウィッグは、もっと膨らみのある形をしていたのですが、途中で「重すぎるから」とアドバイスをいただいて、作り直したんですね。時間がないなかで、YAMANOの先生たちにも手伝っていただきながらなんとかできました。本当に助かりましたし、お世話になりましたね。

実際にモデルさんを使って作品を作ってみて、気づいたことや、想像と違ったことなどはありましたか?

H 学生モデルで練習していたのですが、目も鼻も彫りの具合が全然違いました。いざ本番でメイクをしようとしたときに、鼻が高いので、色を塗る面積もだいぶ変わってきて、色のバランスが取りにくかったです。

出来上がった作品の写真を見て、どう思いましたか?

H レスリーさんは風を使って撮影をされていたのですが、髪の毛がけっこう顔にかかっていて、「メイクが写らないんじゃないかな」と思っていたんです。でもモニターを見たら、髪の毛の間の色がくっきりと出ていて、ちゃんと計算されている。技術がすごいなと思いました。
私は撮影中、モデルさんの後ろでウィッグを支えていたのですが、「もっと上手に作ればよかったな」という悔しさがあって……。また、最後に撮影時間がなくなってしまい、間に合わないんじゃないかという不安がすごくありました。本当に時間がなくて「こんなものでいいのか」という不安と、「もっと時間をかけたかった」という悔しさ、「前半の撮影をもっと早く終わらせておけば」という思いがあったなかで、最後のアレンジのカットをモニターで見たら、すごく上手に撮ってくださっていて、「よかった」と安心して……涙が止まらなくなりました。モデルさんにもギリギリまで撮影させてしまったこともあり、ごめんなさいという気持ちと、全部が含まれた涙でした。

ここからは、作品以外のことでうかがいます。美容の道に進もうと思ったきっかけはなんですか?

H 私はメイクが好きなんです。自分でも派手なアートメイクっぽいものをやってみたりしていて、「もっとメイクの勉強をしたい」と思って山野美容専門学校に入りました。もちろん美容師にもなりたい気持ちもありますし、技術を学んで、自分のことをもっと美しく、可愛くしたいですし、家族や友達にもやってあげたいという気持ちもあって進路を決めました。

たくさんの学校のなかから、山野美容専門学校を選んだのはなぜですか?

H 他にもオープンキャンパスに行ったのですが、山野美容専門学校は1年生のときはネイルやヘアアレンジ、カラーなどひととおり学べるんですね。進級したら、そのなかからふたつ選ぶ、という形です。自分はメイクが好きだったのですが、ネイルもカラーもしたことがなく、ヘアアレンジもそこまで得意じゃない。でも、それらは知らないだけで、もしちゃんと知ったら楽しいんじゃないか、もっとできるんじゃないかと思ったのです。そう考えたときに、他の学校では、将来どういう職業に就くつもりなのかを最初に決めなくてはいけないけれど、YAMANOでは、一度やってみてからどの方向に進むかを決められる。美容師以外の仕事をあまり知らず、他にはどういうものがあるのかよくわからなかったけれど、YAMANOなら学んでから決められるというので選びました。

学生生活の楽しいところ、苦しいところはどんなところですか?

H 入学式では会ったのですが、6月からずっとオンライン授業で同級生とはあまり話すこともできなかったので、リアルに授業が始まったとき、みんなの顔と名前がわからなくて苦戦しました。話す機会がなかったので、友達が少ないんです。でも、今回このプロジェクトのおかげで、友達が5人増えました(笑)。
また、先生方もオンラインでの授業が初めてだったと思うので、最初はカメラワークなどあまり慣れていない感じだったんですね。なので「このままで大丈夫かな?」という不安もあったのですが、実際に授業を受けられるようになって、どんどん自分ができることが増えていきました。最初はまったくできなかったことがうまくなってきたのを実感して、「できるって楽しいな」と思うようになったのです。もっとできるようになったら、もっと楽しくなるんだろうなと思っています。

将来の夢はなんですか?

H そのままの状態でさらに可愛くしたり、美しくしたりするヘアアレンジやメイクが好きなので、カットしてのイメチェンではなく、ひと工夫のイメチェンをしてあげられるような職業に就きたいなと思っています。
でも、今回の撮影をとおして、舞台メイクなども楽しいのかなと思い始めました。ブロードウェイやハリウッドでもそういうメイクのお仕事はあると思いますし、海外を飛び回りたいです(笑)。今回の経験で、夢がかなり広がりました。メイクひとつとっても、これまでは視野が狭かったことに気づいていろいろなことをもっと知りたいなと思いましたし、特殊メイクなど技術的なことも、種類も、いろいろと学んでいきたいと思っています。