Audrey Hepburn

Student

上野愛梨
AIRI UENO

オードリー・ヘップバーンを作品のモチーフにした理由を教えてください。

A

中学生のとき母と一緒に行ったロンドンでヘップバーンの展覧会を見て、衝撃を受けたんです。それまでも名前は知っていたのですが、「生き方までこんなに美しい人なんだ」と。それからは憧れの女性になりました。なので、この企画を聞いたときから「モチーフはオードリー・ヘップバーンにしよう」と決めていたのです。でも、ヘップバーンはシンプルで削ぎ落とした美を愛した人なので、どうやっていままでの「SUPER BIDO」と同じレベルのゴージャスさにしようかと悩みました。図書館でヘップバーンに関する本を全部読んで、彼女の生き方からヒントをもらい、1週間くらいかけてデザインを考えました。

ヘップバーンに「みにくいアヒルの子」を組み合わせたのですが、その発想に至ったのは、彼女は自分の容姿を美しいと思っていなかったと本で読んだから。こんなに美しい彼女もコンプレックスを持っていたんだという衝撃と、彼女がバレエをやっていたという事実を合わせて考えたら、「みにくいアヒルの子」のストーリーと重ねることを思いついたのです。

作品のポイントと、撮影に参加した感想を教えてください。

A

実在の人物をモチーフにしているので、モデルさんの顔立ち次第では作品が成り立たないのではないかという思いもあり、メイクの先生に相談して、太眉としなやかなまつげの印象を強くし、ヘップバーンに寄せていきました。とはいえ、ただのモノマネのメイクにはしたくなかったので、どんなモデルさんが来てもその人を魅力的に見せられるようにと準備をしてきました。ヘップバーンのチャーミングさや性格といった内面の美を感じられるメイクを目指したのです。結果的に、ヘップバーンに似た雰囲気のモデルさんだったこともあり、すごくしっくりきて、本当にヘップバーンを見ているような気持ちになりました。

ただ、骨格が日本人とは違うので、練習と違うという面で大変さもありました。あとは、メイクの濃さですね。はじめての撮影だったので、どれくらいの光を当ててどう見えるのかがまったくわからず、現場で作品を見ながら少しずつ加えていったり……。2パターン目はモノクロだったので、3パターン目はモノクロでもメイクの変化がわかるように、衣装とのバランスを見て、チームの子とその場で話してトーンの変更を決めました。撮影現場では「察する力」と「臨機応変に対応できる力」が必要だと実感した経験です。

モデルさんとコミュニケーションを取ろうと決めていたのですが、日本語があまり得意でない方だったので、なんとか英語で話しかけてみたり。最初はお互いに緊張していましたが、最後には笑顔になってくれたのがとてもうれしかったです。コミュニケーションは大事だなと思いました。
今後、どんな現場でどんな活躍をしたいのかという想像ができていなかったのですが、生の現場を知って、やはりこの世界で生きていきたいという確信が持てました。

今回はチームで作品を制作しましたが、チームワークはいかがでしたか?

A

どうしてもひとりではできない部分がありましたが、お互いに助け合い、声をかけながら協力して、チームとしていい雰囲気で撮影ができたと思っています。チームメンバーは専攻も違いましたし、ほぼ「はじめまして」の状態から「一緒にがんばろう」となって、この1週間やりきりました。私が最初にデザインを作ったこともあり、みんなが私の意見を尊重してくれて、すごくありがたかったです。友達もできましたし、とてもいいきっかけになりました。これからはひとりでこれをやっていかないといけないという、課題も発見しました。

できあがった作品の写真を見て、どう思いましたか?

A

本当に感動しました。頭のなかで作り上げていた以上のものが目の前にあって……最高の気分でした。これまでは授業もオンラインでしたから、現実味もないというか、いまでも信じられないくらい、夢みたいな感じです。

ここからは、作品以外のことでうかがいます。美容の道に進もうと思ったきっかけはなんですか?

A

ふたつ理由があるのですが、ひとつはそれ以外に好きなものがなかったということ。もうひとつは、自分の容姿にコンプレックスがあったのですが、メイクをとおしてそれが好きなポイントになり、自分自身が助けられた経験があったので、将来の仕事にしたいと思ったのです。

美容専門学校ではなく、山野美容芸術短期大学を選んだのはなぜですか?

A

メイクをやりたいという気持ちはありますが、私の最終的な人生の目標は「人間として深みを持ち、人として確立する」こと。ネイルや着付けなどいろいろなことを吸収すればメイクに還元されるでしょうし、人としても深みが出るのではないかと思って、幅広く学べる山野美容芸術短大を選びました。

ネイルの授業は奥が深いというか、色の使い方などメイクに繋がることもありましたし、知らない世界を知ることができました。また、マナーとホスピタリティの授業も糧になりましたね。今回の撮影でも、チーム、モデルさん、現場にいるすべての人たちのとの関わり合いがいいものになれば、いい作品が作れるんだと実感しました。

さまざまなスキルを身につけられるので、美容の世界で生きていくうえでの武器がたくさん持てるのも魅力です。2年次には、フォトシューティングの授業を受けたいなと思っています。

学生生活の楽しいところ、苦しいところはどんなところですか?

A

自ら挑戦する人はなんでも機会を得られる学校だというところですね。「こうしたい」ということはなんでも先生に言ってみることで、挑戦できることが多くなります。自分からアクションを起こすのは大変ですが、先生たちは生徒の意見をちゃんと聞いてくれますし、発言した分だけ応えてくれるので、やる気次第です。先生たちはそれぞれがプロフェッショナルで、現場でも働いている方がたくさんいらっしゃるので、生の声が聞けることも大きいです。生徒同士も同じ美容業界のなかで戦っていくライバルでもあり、仲間でもあるので、高め合えるいい環境だなと思っています。

将来の夢はなんですか?

A

いちばんの夢は、自分の「好き」を形にするメイクアップアーティストになること。今回も私のなかの「好き」を集めてできた作品だったので、今後もどんどん動いていけば、結果的に大きな夢を叶えられるのかなと思っています。でもその夢の根底には、すべての人に向けてときめきを発信していきたいという思いがあります。そのひとつが美容であり、メイクなんです。そのうえで、最終的なゴールは「上野愛梨」というブランドになること。自分の名前で仕事ができて、ひとりの人間として立っていられるように。オードリー・ヘップバーンみたいに、憧れを振り撒けるような、美しいひとりの女性として活躍できたらすごくいいなと思っています。